アラサー女の人体実験ダイエット

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3月11日

5年前、私はイギリスにいました

 

現地の朝のラジオで日本に地震があったことを知りました 地震があったことのみの報道で、詳細はまだ報道されていませんでした 寝坊した私は職場に急ぐ為、いつものように15分ほどで身支度を整えて階下に降りました 下の階に住んでいる大家さんが、日本で大きな地震があったよと教えてくれました 詳しくは地下鉄の中で新聞を読むねと言っていってきますの挨拶をしました

 

朝地下鉄で読んだこと、時報と共にBBC radio1から流れるニュース、1時間毎に伝えられる被害が徐々に大きくなり、これはいったいなにがおこったのだというもどかしい気持ち・焦り・日本に電話が通じずメールの返事もなく、会社の皆から大丈夫かと聞かれてもいったい何がOKなのかそうじゃないのかもわからなかったことを昨日のように思い出します

 

お昼、みんなでいつものようにランチを食べている時にまたラジオからニュースが流れ、お昼の1時時点での被害状況が伝えられました 一番尊敬していたスタジオマネジャーが心ない事をつぶやき、私はそのマネジャーを怒鳴りつけました

(その時点では実際の被害の何十分の一もイギリスでは報道されていなかった覚えがあります)

今思えば彼女なりの私への心遣いだったはずですが、冷静にはなれませんでした

 

異国に離れて暮らすということ、歩いては行けない場所に大切な人がいること

覚悟を持って望んだ移住だったつもりが、いざとなるとなんの覚悟も出来ていなかった

インターネットという目にもみえない連絡手段に頼りすぎ、声を聞きたい人の携帯の番号さえ手元に持っておらず、そして番号を持っていても電話はつながりませんでした

 

帰宅時には被害の様子を伝える写真が夕刊に載りました いつも夕刊を手渡してくれる地下鉄の駅のおじさんから新聞をもらい、開いてそのまま閉じて家に持ち帰って読みました

ニュースは見られなかった

英語で報道される母国の惨事 他人事のように聞こえる自分の国の事 大家さんが、飼っているネコを 私の添い寝係ね、といってお部屋までつれてきてくれました

 

あまりに無力な自分

なにもできない 

 

次の日の出勤時、朝刊を地下鉄で読んでいたら涙でわけがわからなくなり、それでも読まなければ、知らなければという気持ちで読み進めていたら向かいのおねえさんがティッシュを、横に座っていたおばさんがハンカチをくれました

同じ車両の人がみんな同じ新聞を読んでいました

隣に座っていたおばさんは言いました

あなたは今辛くて悲しい、心配で気が狂いそうだろう だけど辛いのはあなただけじゃない、日本人だから辛いわけではない、イギリス人だって誰だって心配している。ここにいるみんなが辛い みんな一緒なんだと

ふと目をあげたら、向かいにすわっているおじさんが頷きました

丁度降りる駅だったお兄さんは座席から立ち上がり、私の頭をなでて降りて行きました

自分の物の見方の小ささを思い知った出来事でした

隣のおばさんは、日本は静かだけど強いから、とウインクして手をぎゅっと握ってくれました

出社したらマネジャーがおはようと言ってくれました

そして一日がまたはじまりました

 

イギリスでも支援の輪が広がり、そこここで募金活動などが活発に行われました

友人達は、私と会ってなければ正直ここまで身近な事だと思わなかったかもしれないといっていました

テレビで報道される人たちが全員私の家族に見えて夜も寝られないんだと大家さんに言われたときは声を上げて一緒に泣きました

近所のケバブやのおじさん、タバコ屋のおばさん、コーヒーやのお兄さん、みんな国籍は様々だけれど、同じように心配し、同じように支援の気持ちを表してくれていました

人と人とのつながりを感じました

 

 

 

あのときの気持ちは今でも痛烈に心にあります

私のような日本にもいなかったような者がこういった事を書いて良いのかわからないけれど、

不謹慎だと思われる方もいらっしゃるかもしれないけれど

ただ、私の周りではそういうことがあったんだということ

いつも思い出します